元型(アーキタイプ)とは、私達が内面に抱いている基本的な概念の象徴です。心理学が誕生するはるか昔の中世の頃、すべての男性には「女性性」が内在するとされていました。のちにユングは、この内在する女性性をアニマと名づけ、さらに人格の様々な部分にも名前をつけました。
現在は、無意識が情報を比較、分類することが分かっています。自分の中に不調和な部分があることに気づいているとき、「内面と外面」「男性性と女性性」「老人・若者」「賢い・愚か」というふうに、対になった象徴が夢に現れます。夢は常に、普通の言葉では理解できないことを伝える手段となります。
夢に現れる元型には、人の影の部分を象徴するシャドウ、人の仮面を象徴するペルソナ、人の女性的な部分を象徴するアニマ、男性的な部分を象徴するアニムス、母性を象徴するグレートマザー、父性を象徴するオールドワイズマン、創造性と未熟さを象徴する子供などがあります。
自分の中にあるこれらの元型を否定しきれなくなったとき、人は自分の中に潜む人格の一面に気づき始めます。そして、夢に現れるイメージを見直すことによって、もっと多くの点に気づきます。夢に登場するイメージは、私たちが知っている人、あるいは架空の生き物、または伝説上の人物、または動物や鳥など様々です。