タロットカードは通称「アルカナ」といわれていますが、「アルカナ」というのは秘密の教えという意味です。タロットカードに描かれている絵はすべて単なるデザインではなくて、明確なシンボルです。また、そこに使用されている色も単なる偶然ではないのです。このようにいくつものシンボルが折り重なりあいながら、ひとつの絵柄を構成しているわけですが、そこには深い英智と秘密の教えが隠されているといってもよいでしょう。
0. 愚者(THE FOOL)
可能性 0(ゼロ)からの出発
愚者はこれから人生の旅に立つところです。この若者は赤子のように清らかで無邪気で、これから出会うであろう試練や落とし穴に対して、すべて無知で恐れを知りません。ただ、これからの可能性に満ち満ちています。0(ゼロ)無からの出発ではありますが、愚者はありとあらゆるものを一度手に入れてから、それをそのまま宇宙に帰した男であって、得体の知れない偉大さをも秘めているのです。
愚行 投げやり 中断 無分別 怠慢 不注意 誤った判断 自分勝手 落ちつきのない生活 悪い選択 いいかげんな恋愛 しつこい異性につきまとわれる 仕事や勉強を短期によって中断してしまいやすい ルーズな性格 学校や職場で孤立 非常識 努力不足 お金や物質に頼らないように
Ⅰ. 魔術師(THE MAGICIAN)
すべての始まり 知識 創造のパワー
魔術師は、宇宙の偉大なるパワーと超意識を探究する永遠の求道者。彼のもつ棍棒は物事を創造するパワーの象徴であり、テーブルの上に置かれている道具類は、この世のすべての物事をあらわします。つまり、魔術師は自分の意志と知識で、人生を切り開いていくことができることを示したカードなのです。
意志薄弱 ためらい 能力の不足 愛の告白のキッカケを逃す 異性にだまされやすい 勉強に身が入らず成績ダウン ギャンブルは大敗 身体はなんとなくだるい どっちつかず ヤル気のない性格 消極的
Ⅱ. 女教皇(THE HIGH PRIESTESS)
知性と慈悲あふれる女性
女教皇は、エジプトの女神ハトホル、ギリシアの女神アルテミス、ローマ神話のダイアナ、または聖母マリアといわれます。彼女は「トーラ」という書物をもっていますが、これは神秘の書物であるために、誰ものぞき見ることはできません。やさしい女神が知識を司るこのカードは、知性と慈悲がバランスよく存在することの大切さをあらわしています。
わがまま 偏見におちいる うぬぼれ 見栄をはる 思慮分別を欠いた 行動 友達の忠告に耳もかさない 意地が悪い 利己主義 人を愛せない 裏切り 勉強や仕事にもムラが出る プライドが高い性格 体力が低下 不妊症
Ⅲ. 女帝(THE EMPRESS)
豊かさ 調和 母性
この女帝はエジプトのイシスであるとも、ギリシアのデメテル、またはヴィーナスであるともいわれています。どれも生産や万物豊穣の象徴である女神です。優しさ・平和・幸福・結婚・出産など、母性が生み出すであろうすべてのものを司る者なのです。しかし同時に、女性的なわがままや迷いなどももち合わせています。
虚栄心が強い 浅はか 過保護 無気力で集中力がない 物質的に貧しくなる 人を簡単に裏切る 恋愛も気まぐれで目移りしやすい 勉強は怠けてしまう 気がゆるんで太りやすくなる 出しゃばりな性格 横暴 不妊
Ⅳ. 皇帝(THE EMPEROR)
リーダーシップ 力 権威
皇帝は、女帝の夫であり、神話に当てはめるとエジプトのオシリス、ギリシアのジュピターに当たります。「Ⅳ」の数はこの世をつくる火地風水の四つの要素であり、もっとも安定し完成された王国を意味するのです。こうした物事をつくり出す男性的なパワーを象徴する皇帝はまた、男性としての横暴さをも秘めているのです。
独断 横暴 人の意見を聞かない傲慢さ 野望は途中でダメになる 未熟な考え 自分本位の愛情 恋人との大ゲンカ 勉強・仕事は自信過剰のためにダウンする 無理をすると体調をくずす 自信をなくす 情欲に流されやすい 金銭や物の損失 ギャンブルは不調
Ⅴ. 法皇(THE HIEROPHANT)
伝統 よいアドバイス 援助
皇帝が現世的な力をあらわしているのに対して、法皇は精神的な権威を象徴しています。法皇は神の代理人として、人々を正しく導き精神的な安らぎを与える役目をもっていますが、その教えは大衆向きのオーソドックスなものであり、女教皇がもつ秘密の奥義とは性格を異にしているのです。
冷淡 利己主義 虚栄心 怠惰な生活 無気力になる 誤った知識で人を混乱させる 悪意のある助言 ホラふき 恋愛は親の反対が 孤立した愛 恋人との別れ 仕事や勉強でひとりよがりの方法はアンラッキー 素人療法で体調が悪化 援助がない 依頼心の強い性格
Ⅵ. 恋人(THE LOVERS)
調和 ひらめき
このカードに描かれているのは、ヘビに誘惑される前の汚れないアダムとイブだといわれています。これは男性的なエネルギーと女性的なエネルギーが調和していることをあらわし、心が通い合うものの幸いを象徴するカードです。しかしそのいっぼうでは、恋人にはまだ多くの選択が残されており、常にゆれ動いている不安定さもおのずと出てくるのです。
ケンカ 別離 不貞 不実 あきっぽい ずる賢い 誤った選択で苦しむ可能性 友人とうまくいかず敵をつくる 恋人との別れ 自分の恋に疑いをもつ 遊びに夢中になって仕事や勉強がおろそかになる 欲しい物が手に入らないかも 裏切り
Ⅶ. 戦車(THE CHARI0T)
勇気と力 勝利 パイオニア
孤独や嵐の原野をものともせず、あらゆる障害を克服していく若者を象徴するのが、戦車のカードです。戦車を駆っているのは、栄光と勝利を手にした若き戦士。よろいや剣によってあらわされる下等な力をその高潔な精神でコントロールしていますが、それができなくなると勇気はすぐに無分別というものに姿を変えてしまいます。
あきっぽい 無分別 ひとりよがり 自己中心的 乱暴なやり方 人の助言を無視してしまう 恋はエゴイスティックになると挫折する ライバルに恋人をさらわれる 仕事・勉強はあせりだけが先に立つ 実力不足 暴飲・暴食で体調をくずす 事故に注意
Ⅷ. 力(STRENGTH)
愛の勝利 誠意
女性が武器をもたず、ライオンを手なずけている絵が描かれたこのカードはそのまま、愛と誠意が本能や物質を服従させたことをあらわしています。本当の力とは勇気と忍耐、また愛によって統御され、完全なものになるということを象徴するカードなのです。
独断 強情 強引 無気力な生活 自分の力を過信して失敗する 実力を生かせない 遊びの誘惑に乗ってしまう 恋は迷いや強引さが原因でこわれる 仕事や勉強に打ち込んでも成績は上がらない 自信のない性格 ヤケ食いで体調をくずす ライバルに中傷される ギャンブルは惨敗
Ⅸ. 隠者(THE HERMIT)
知恵 真実への希求
マントを着てランプを手にした隠者は、精神的暗黒を照らしながら、光を求める人々を助けに行こうとしています。このカードの番号のⅨは奥義伝授の番号であり、迷いや争いをなくすには、人がこの奥義を理解して心に知性の明かりを灯すしかないのです。
疑り深い 意地悪 小心 ケチ 人の忠告に耳をかさず失敗する 神経質 落ち込みやすい 恋人にヒガんでばかりいるとケンカの恐れ グチはタブー 仕事や勉強でうっかりミスが多い 体調はいまひとつ 旅行はやめて吉
Ⅹ. 運命の輪(WHEEL OF FORTUNE)
運命の上昇と下降 幸運
Xは宇宙のすべてを意味する数であり、運命の輪はその宇宙の法則を示すものです。人生の上昇と下降、原因と結果、作用と反作用――人間には次に幸運がくるのか不運がくるのかはわかりませんが、運命は音もなく静かにまわっているのです。運命の輪がまわっているかぎり、私たちには永遠の幸福も、そしてまた永遠の不幸もありません。
失敗 挫折 不運 すべてが悪いほうへ向かう 早急に対策をたてて吉 時期がくるのをジッと待つこと 恋は深追いや気まぐれからのつき合いに注意 仕事や勉強は迷路に入りこみ身につかない 乗り物による事故に注意
XI. 正義(JUSTICE)
バランス 正直 宇宙の法則
このカードに描かれているのは、ギリシア神話の正義の女神アルテミスです。アルテミスは裁きと、忠告を与える神であり、左手に黄金のはかりをもって、つねにバランスのとれた判定をしようとしているようです。XIは新しい始まりをあらわす数であり、このカードは物事が新しい段階に来たことをも示しているのです。
不公平 不正 偏見 なまけグセ 利己主義 やっかいな問題に巻きこまれる 法的な手続きのミスや訴訟から不利な立場に 恋愛感情のコントロールができず自分勝手な行動をしがち 恋のライバルに負ける 不得意な科目が足を引っぱって成績が落ちる 志望校はワンランク下げたほうが無難 旅行はやめて吉
XII. 吊るされた男(THE HANGEDMAN)
忍耐 試練
一般に「自己犠牲のカード」とされているのが、この吊るされた男です。このカードの解釈の仕方はいくつもあり、一定した説は実はありません。しかし、人生の中にはこの吊るされた男のように、自分の力ではどうすることもできない状況に陥ることがあり、人間がその中から新たな自分に生まれ変わるということをあらわすカードとして親しまれているのです。
軽率 損失 横柄 傲慢 無駄になった努力 思いどおりにことが運ばないとき 自己中心的になると不利な立場に 秘密の恋がバレる 恋はつくしてもまったくふり向いてもらえない 勉強は最低のとき 仕事も最悪のコンディション 無理は禁物 あきらめるべきことはスッパリと 捻挫に要注意
XIII. 死神(DEATH)
死と再生 変化
創造と破壊、生と死はつねにいっしょにいる双子の兄弟のようなもの。死神はすべての形あるものには終わりがあることを示していますが、終わりがあるからこそ、新しいものの誕生もあるわけですこのカードは死と生、古いものと新しいものとの絶えまない転換を意味するカードなのです。
変化 前途の光明 努力が報われる 運命のいたずらで巡ってきたチャンス 意識の変化 新しいアイデアの誕生 恋人の心が傾いてくる 暗示 真の愛が芽生える可能性 仕事や勉強のプランを一新すると吉 病気やケガが早くよくなる 欲しい物ができる
XIV. 節制(TEMPERANCE)
調整 中庸
大天使ミカエルが左手のカップから右のカップへ生命の水を注いでいる絵柄のカードが、節制のカードです。この姿は、物質と精神、感情と理性という相反するものを、ひとつにまとめようとする気持ちをあらわしているのです。平凡に見えながらも、中庸であることがいかに困難であるかを物語っているようです。
ケンカ 分裂 利己主義 小心 無感動 金銭問題でトラブルあり 不運が重なる 気持ちがダレると悪影響を及ぼす 意志と感情のバランスがくずれて恋愛も今ー歩 仕事・勉強は注意が散漫になりやすい 成績ダウン 浪費を戒めること
XV. 悪魔(THE DEVIL)
誘惑 欲望
中世のヨーロッパでは、山羊はもっとも悪魔に近い動物と考えられていました。そのため、悪魔のカードには山羊の角をもつ両性神バフォメットが描かれているのです。悪魔の前には、男女が鎖でつながれていますが、これは彼らが物質のとりこになっていることを意味しているのです。しかしこの鎖はゆるく、自分の意志でぬけ出すことは可能なのです。
内気 臆病 自由 好転の兆し 快楽 物欲の鎖から離れる 悪い誘惑から逃れる くされ縁を断ち切る 利己主義の克服 今までの恋人と別れる つまらないことでだまされやすいとき 悪口は慎んで吉 仕事ではハードスケジュールから解放される 勉強はさぼりグセがつく 睡眠不足で体調をくずす
XVI. 塔(THE TOWER)
破滅 思いあがり
落雷によって崩されるこの塔は、野心と意志の悪用によって建てられたバベルの塔です。誤った基礎の上に建てられたものは、このように神の稲妻で破滅され、もう一度建て直されなければなりません。このカードは、人間が科学の力や経済力でなんでもできると思い上がったときに、思いがけない罰が下ることを示しているのです。
誤解 誤診 誤った非難 救いの道 緊張状態 慎重さが必要なとき 悔い改めればトラブルはおさまる バタバタするとパニックに陥る 恋愛はイザコザが絶えないがチャンスは隠されている 仕事・勉強はまだまだがんばり不足 誤診による病気の悪化の恐れ
XVII. 星(THE STAR)
希望 健康 チャンス
このカードに描かれているのは、真実をあらわす裸体の乙女が、二つの壺で地上に水を注いでいる姿です。水は世界を再び生き返らせるためのものなのです。乙女の頭上に輝く星は、東方の三博士をキリストのもとへと導いた星。星は天上の花であり、それを仰ぐ人間の心にどれほどの影響を与えたかしれません。
不信 自信のなさ 悲観 友情にヒビが入る 淡い恋 理想が高すぎる 結婚しても子どもをほしがらない 創造力の欠如 学力を過信しすぎて高望みしないように 心身ともに疲労気味 人に嫌われる 自分を広げるための旅行は吉
XVIII. 月(THE MOON)
迷い ごまかし 不安
満月、半月、新月が地上を眺めていますが、この月の象は人間の身体、心、精神をあらわしています。月は古来から人間の心に直接語りかけてくる力をもっていました。そしてその早い満ち欠けの様子から、あいまいな状態や心の不安のシンボルとされてきました。このカードは、見かけだけを重視した、知力に欠ける生活を警告したものでもあるのです。
夜明け 好転の兆し 迷いからの脱出 偽りに気づく 不安が晴れていく 誤解がとける 危機一髪で災難を逃れる 偽りの愛に気づく 結婚 仕事・勉強は初心に戻ってやり直すと占 危険性のあるものは避けて確実性のあるものを選択すること
XIX. 太陽(THE SUN)
生命 達成 結婚
地上のあらゆる生物に光と熱を与え、万物を育む太陽、その力とエネルギーはとてつもないもので古来、太陽は生命のシンボルとされてきました。このカードに描かれている子どもたちは太陽神アポロンの子どもたちで、生命の証、輝かしい未来の象徴です。太陽は人間の永遠のあこがれなのです。
虚栄 苦心 障害 誤った判断 安易な方法に頼って人の信頼を失う 意気消沈 契約の取り消し 誤解から対人関係が悪化する あいまいな恋 苦い試練 仕事や勉強の意欲の低下 不合格・留年の兆し 派手な浪費 出産は重い 体力の低下 孤立する恐れ
XX. 審判(JUDGEMENT)
精神的な目覚め 復活
最後の審判をあらわすカードです。大天使ミカエルが吹き鳴らすトランペットの音は、人間を地上の拘束から解放する福音です。死んだ者さえもよみがえり、人々は最後の試験を受けます。ここで、よき行ないをした者は幸運を授かって二度生まれ、悪しき行ないをした者には審判が下るのです。
弱さ 幻滅 別れ 頑固 復讐心 病気 チャンスを失う 悪いニュース 先の見通しが暗い 決断力が鈍る 過去にこだわる 人の好意が通じてこない 打算的な愛情 こわれた恋は元に戻らない 仕事や勉強の行きづまりと伸び悩み 体調も思わしくないとき
XXI. 世界(THE WORLD)
完成
世界のカードには、だ円形の花輪の中で踊る女性が描かれています。この花輪は月桂樹の葉でつくられた勝利者の飾り、すべてが調和してひとつの世界が完成したことへの、宇宙の歓喜をあらわすものなのです。ついに完成したものは、しかしながら、今度は0(ゼロ)へと還り、またはじめからつくり上げなければならないのです。
失敗 未完成 不調和 停滞 よくない変化 新しいエネルギーの不足 スランプ いらだち 恋愛はくされ縁になりやすい 別れ話はキッパリつけること 勉強・仕事も計画どおり進まず 気のゆるみからミスをする 努力のからまわり 旅行や転居は控えて吉