第三章で本命卦による自分の方位が、しっかりチェックできたら、実際に家の中での吉方位と凶方位を調べて部屋の配置を決めていきましょう。部屋の方位に問題があったとしても、インテリアや色などを使って改善することができます。
家の中の正確な方位を求めましょう
まず正確な平面図が必要です。もし家の設計図や間取り図があれば、コピーをとって使用しましょう。なければ方眼紙を使って描きます。
太極を求める
平面図にある庭やベランダ、ガレージは除外し、室内の部分を対角線で結びます。その線が交わったところが家の太極(中心)になります。家の出っ張りや欠けている部分は、図のようにその大きさで判断します。
出っ張っている部分が家の長さの50%以上ならば、そこが出ているというよりも、一部が欠けているとします。
逆に欠けている部分が50%以上ならば、それは欠けているというよりもほかの部分が出ていると考えます。1階と2階がある場合は、それぞれ太極を出します。
正確な方位を求める
家の太極がわかったら、次は8つの方位に分けていきます。まず、方位磁石を胸の高さくらいに持って、家の中心に立ち、真北を定めます。
この時、スチール製品や、テレビ、コンピュータ、電子レンジ、携帯電話などの強い磁気を発する物がそばにあると正確な方位が測れないので、電源を切っておきましょう。
北の方位がわかったら、先ほどの平面図と照らし合わせて、北から南へ太極を通る線を引きます。この線から左右22.5度ずつ、合計45度の範囲が北のセクションになります。
残りを45度ずつ区切っていき、北から右回りに北東、東、南東、南、南西、西、北西となります。
理想の間取りとレイアウト
家の中の方位が確定したら、部屋の配置をよく見て、自分の本命卦の吉凶方位盤と照らし合わせてみましょう。家のどのパーツも最大吉(生気方位)だと良いように思えますが、実はそうではありません。また吉凶だけでなく、各パーツと八遊星との相性も重要です。
伝統風水では、玄関・寝室・キッチンを、家の中でも特に重要な場所として考えます。この3つを押さえれば幸運な間取りの家になります。
まず、玄関と寝室は、必ずあなたの吉方位にあるようにします。玄関は、運気を取り入れる入り口ですから、吉のよい気を入れるため、ぜひ吉方位に。寝室は、家の中で最も長時間いる部屋として重要です。眠っている間に、その場所の気をどんどん体に取り入れるのですから、寝室もぜひ吉方位にあるようにしたいもの。
キッチンは家の凶を燃やす場所です。キッチンは、玄関・寝室とは逆に、凶方位にあるとよいのです。
もし、玄関と寝室が凶方位で、キッチンが吉方位にあるなど、理想と逆の場合には、化殺(方位の悪影響を抑えること)が必要です。化殺の方法は、本命卦によって変わります。
玄関
その家の家族や訪問客など、人が頻繁に出入りする玄関は、家の「顔」と言われます。人の出入りによってさまざまな気が持ち込まれるので、風水ではもっとも重要なスペースとされています。外に向いているので、縁や財運も呼び込み、社会的な成功や交際面にも大きく影響します。
したがって当然、生気・天医・延年・伏位の吉方位にあることが望ましく、中でも最大吉の生気方位にあるのがベスト。良い運気がたくさん入ってきます。
次に良いのが、人間関係の良い結びつきや調和のパワーが宿る延年方位です。 生気方位や延年方位に玄関があると、財運がとても順調になります。
天医方位は健康で長寿になるうえに、地位の高い人からの助けを受けることができます。伏位方位は、生活のリズムが安定しコツコツと地道に生活したい人に向いています。
反対に絶命・五鬼・六殺・禍害の凶方位にあるなら、それぞれの方位に合った五行別カラー&アイテムを使って化殺しましょう。
絶命方位の玄関は、身体が日に日に衰弱するうえに、事故やケガにあいやすくなります。健康を損ねるだけでなく、破財の星なので健康とお金の両方を失いやすくなります。
五鬼方位は、意外な災難や火災を招きます。また、金縛りや霊現象なども起こりやすくなる方位です。六殺方位は、人間関係でも経済的にも、だらしなくなって、堕落した生活になります。禍害方位は、社会的に注目されず、だんだん家運が衰退します。
寝室
風水では、寝室も玄関と並んでとても重要なスペースです。1日のうち7~8時間を眠りに費やすとするとすれば、人生の3分の1近くを寝室で過ごす計算になるのですから、それも当然。結婚している人なら、夫婦円満をつかさどる場所に、独身の人なら恋愛運を上げる場所にもなります。
また、健康運にも非常に大きな影響を与える場所でもあります。人間は眠っているときは無防備な状態になりますから、良いエネルギーも悪いエネルギーも、知らないうちに吸い込んでしまいます。吉方位の部屋でぐっすり眠れば心身ともに元気になりますが、凶方位の部屋で眠ると気カがなくなったり、疲れやすくなったりします。
寝室は大吉の延年方位か中吉の天医方位にあるのがベストです。延年方位にあると、人とのコミュニケーション能力が高まりますので、夫婦仲もよくなり、家庭運もアップします。天医方位ならば身体が丈夫になり、その日のストレスを翌日に持ち越すようなことはありません。
伏位方位は、忍耐力が増し、勤労意欲も高まります。生気方位にあると、日頃元気のない人は、パワーアップして非常に活動的になり、その結果大きな財運がもたらされます。また、子づくりにも向いている方位です。ただし、エネルギーが高すぎて十分にリラックスできないこともあります。生気方位で寝てみて寝つきが悪くなったら、他の方位に変えましょう。
寝室が絶命方位になっていると、殺伐とした心になりやすく、意外な怪我や災いを引き寄せやすくなります。五鬼方位も、お金を失う、火事や泥棒にあう、霊現象などに悩まされるといったことが起こります。六殺方位は気分が落ち込みやすく、口論や異性関係のトラブルにも巻き込まれる可能性があります。
どうしても吉方位の部屋を寝室にできない場合は、寝室にする部屋の中心(小太極)から見た吉方位に寝るようにしましょう。
夫婦で本命卦が違う場合は、片方にとっての吉方位の部屋を寝室にし、もう片方にとっての小太極の吉方位で寝るか、頭を吉方位に向けて寝るように。難しければ、どちらかにとって絶命になる方位だけは避けるようにしてください。
キッチン
健康運や金運を左右するキッチンは、 六殺・五鬼・絶命・禍害の凶方位にあると良いとされています。
それは、コンロで火を燃やし、シンクで水を流すので、凶方位にある邪気を燃やしたり、汚れを排出したりできると考えられているからです。
逆に生気・天医・延年・伏位の吉方位にあると、やってきた金運・幸運を燃やしてしまいます。
絶命方位にコンロが位置している場合は、健康と長寿が得られ、名声と財運の両方が盛んになります。五鬼方位に位置している場合は、火事や盗難を避けることができるうえに、突然思いもよらぬ財運に恵まれます。六殺方位、禍害方位も無災無病で財運は順調です。
反対にキッチンが吉方位にあると、せっかくの良い気が消滅してしまいます。
キッチンの位置が生気方位にある場合は、子供に恵まれず、後継者が育ちません。他人から誹謗中傷を受けます。金運が下がって、収人や財産が目減りします。天医方位の場合は、慢性病で床についたり、体が虚弱になります。延年方位は、結婚がまとまりにくく、たとえ結婚しても夫婦仲が悪くなります。金運にも恵まれません。伏位方位は、何事もスムーズに運ばず、悩まされます。金運にも恵まれません。
また、コンロの位置とツマミの向きも大変重要です。コンロはキッチンの中心から見た凶方位に置きますが、ツマミは必ず吉方位に向けます。
しかし、現在の家ではガステーブルなどの位置が決まっていて、コンロを移動できないことも多いでしょう。その場合は、電子レンジや炊飯器などの調理器具を凶方位に置き、つまみやスイッチを吉方位に向けてください。
リビング
家族団欒の場であるリビングは、家庭運や金運がアップするように、伏位・生気・天医・延年の吉方位にあるのが望ましいです。吉方位のリビングは居心地がよく、そこで過ごすだけでエネルギーがわいてくるように感じるものです。
反対に、絶命・五鬼・六殺・禍害の凶方位のリビングだと、なんとなく居心地が悪くて、早く自室に戻りたくなります。
リビングが生気方位にあると、毎日の生活に活気が出ます。くつろげるソファや椅子が置かれ、長時間いる場になっていれば財運がとても好調になります。延年方位なら物事がスムースに運ぶようになり、財運もアップします。天医方位にあると、身体の奥から元気が満ちてくる感じになり病気が治ります。伏位方位にあれば落ち着きが出てきて建設的な考えができるようになります。
しかし、それぞれの本命卦を考えると、全員にとって吉方位になるということはまずありません。この場合は、家族の中心になる人の本命卦を優先し、吉方位にならない人はリビングの中心から見て自分の吉方位に座るようにしてください。
もしくは、家族のうちで誰かが問題を抱えているならその人、受験前の子供がいるならその子供などと、特に運気をアップしたい人の吉方位を優先します。
リビングでは、テレビやオーディオの位置も重要です。 吉方位に置いて、吉方位に顔を向けて観たり聴いたりするのが理想的です。
バスルーム
シャワーを使ったり、バスタブにお湯をためたりして、バスルームでは毎日たくさんの水を流します。このことから、バスルームは悪い気も水と一緒に流せるように、絶命・五鬼・六殺・禍害の凶方位にあるのが財運にいいとされています。
特に最大凶の絶命方位や大凶の五鬼方位にあれば幸運に恵まれるでしょう。六殺方位にあれば不安や失敗から解放され、禍害方位にあれば物事が計画的に進んでいきます。
反対に、生気・天医・延年・伏位の吉方位に汚れた大量の水があると、悪影響が出てきます。延年方位にあれば結婚は成立しにくく、夫婦仲は悪くなってしまいます。天医方位にあれば、身体が弱くなり、病気で寝込みやすくなります。バスルームが吉方位にあって凶作用が働く場合は、五行別カラーのバスマットやタオル、バスタオルなどを使って化殺しましょう。
浴室が汚れたりジメジメしていても、悪い気は流れにくくなってしまいます。常に換気をよくし、毎日きれいに掃除して、カビや悪臭が発生しないように注意してください。排水口も清潔にしておきましょう。
入浴後のお湯はなるべくためたままにせず、流してバスタブをピカピカに磨いておくといいでしょう。石鹸やシャンプーなどもきちんと棚などに整理して置くように。
トイレ
バスルーム同様、毎日、汚物と水を排出するトイレは五鬼・絶命・六殺・禍害の凶方位にあるのがいいとされています。特に大凶の五鬼方位や最大凶の絶命方位にあると、健康運が高まりさまざまな成果を上げることができるでしょう。
反対に、生気・天医・延年・伏位の吉方位にあると、健康面に悪影響が出やすくなります。冷えによるお腹の不調、生理不順などや腎・膀胱の不調などに要注意です。
また、家の中心(太極)にあるのもよくありません。トイレがこれらの方位にある場合は、五行別カラーのマットや便座カバー、タオルなどを使って化殺しましょう。
トイレ内は毎日きれいに掃除して、とにかく清潔に保つこと。特に吉方位にある場合は、便器をピカピカに磨くように心がけてください。しっかり換気することも必要です。窓がないなら、換気扇をある程度、回しっぱなしにして、空気を入れ替えましょう。小さな観葉植物を置くのもおすすめです。
また、悪い気が漏れてこないように、トイレのドアと便器のフタは常にきちんと閉めておきましょう。特に、他の部屋と向かい合っているトイレは、ドアを閉めるだけでなく、のれんをかけて、ガードしてください。
玄関ドアを開けた真正面にトイレのドアがあるのもよくありません。もし可能であれば、玄関を入ったところにパーテーションを置いて、トイレのドアを玄関から見えなくしましよう。
書斎
机やパソコンなどを置いて、仕事や勉強、趣味などに没頭する書斎は、天医・生気・延年・伏位の吉方位にあると集中力が高まり、能率が上がります。仕事上のアイデアが欲しい人は、思考力が養われる延年方位にレイアウトするといいでしょう。
それからもうひとつ、古くから中国に伝わる吉方位である文昌方位という方位を使うのも良いでしょう。これは学問・研究・学術・芸術・芸能・創作・読書などに最適な方位術です。
反対に、絶命・五鬼・六殺・禍害の凶方位にあると、集中力がなくなって、いいアイデアも浮かばなくなります。仕事の手順も悪くなりますから吉方位に移すようにしましょう。それができない場合は、ラッキーカラーのカーテンやグッズ、ラッキーアイテムなどで化殺しましょう。これらは、子供の勉強部屋についても同様です。
また、部屋そのものだけでなく、机の位置や座る向きも吉方位になっていれば、知的能力が高まるので仕事などがはかどります。家の中心(太極)から見て吉方位に置くのが難しければ、その部屋の中心(小太極)から見て、吉方位の場所に置くこと。また、本棚や収納スペースを凶方位に置くと、凶作用が抑えられます。逆にパソコンやオーディオ、電話などは吉方位に置きましょう。
さらに、机は壁から離し、イスに座ったときにドアが見えて、かつドアの正面からずらした位置が良いでしょう。部屋やデスク周りは適度な明るさを確保して、仕事や勉強に集中できるようにしましよう。
文昌方位
文昌方位は、古くから中国に伝わる吉方位術です。この方位に書斎や創造活動に関する仕事部屋をレイアウトすると、文章、学問、芸術、研究、創作などに良い閃きが生まれ、意欲的に取り組めるようになります。
また、机の上に文昌塔(中国の塔の形の置物)を飾ると学業成績が上がり、良いプランニングができます。
文昌方位は太極から見た玄関の方位ではなく、玄関のドアが向いている方位、つまり、家の中から玄関のドアを正面に見たときに自分が向いている方位で見ます。
書斎のドアが向いている方位で文昌方位を調べ、そこにデスクを置くのも有効です。
玄関の向いている方位 | 文昌方位 |
---|---|
北 | 南 |
北東 | 西 |
東 | 南西 |
南東 | 東 |
南 | 北東 |
南西 | 北 |
西 | 北西 |
北西 | 南西 |
子供部屋
子供はそれぞれに様々な才能を秘めて生まれてきています。それをうまく見出し、伸ばしてあげることは、子供が幼いうちは親の役目だといえるでしょう。そのために大切になってくるのが子供部屋です。
子供の「気」に合った部屋ならば、どんどん運気がアップしていきますが、「気」に合わない部屋だと性格や健康面など、様々な問題が出てくることになります。
子供部屋を決める場合は、各方位の意味を考えながら、その子供に一番適した方位を選びましょう。最も理想的なのは、4つの吉方位を、子供の成長に合わせて使い分けることです。
小学生までは伸びやかに育つように生気方位、中学生になったら人間関係の協調性を育む延年方位、高校生になったら心と体の安定を育む天医方位がいいでしょう。大学生になったら、それぞれの状況に応じて方位を選ぶようにします。
子供部屋が、子供の本命卦の凶方位になっていると、身体や心の健康を損ねたり、トラブルに巻き込まれたりする可能性があるので良くありません。4つの凶方位のいずれの場合も好ましくありませんが、絶命方位や五鬼方位に比べると禍害方位の方が凶作用は弱いです。
太極で吉方位を選ぶのが無理な場合は、子供部屋の小太極(部屋の中心)から見て、デスクの位置や座る向きを吉方位にしましょう。また、ベッドの位置と枕の向きも吉方位にします。
もし子供が2人以上いて同じ部屋を使う場合は、子供たちが同じ四命のグループなら吉方向が重なるので問題ないでしょう。子供たちが異なる四命のグループなら、身体の弱い子や、成績が優れないなど自信がもてない子の本命卦を優先すると良いでしよう。
家の間取りがもたらす気をチェックしましょう
家の間取りや家具の配置にほんのちょっと工夫を加えただけで、気の流れは大きく変わります。家の中に流れる気の影響は、時間をかけて吉凶をもたらすもの。現在は特別感じてはいなくても、実は凶作用の要素があるかもしれないのです。
漏財宅(ろうざいたく)
賛沢しているわけでもないのにお金が貯まらない…そんな人は一度、家の中を見回しましょう。不必要にお金が出ていってしまうのは漏財宅(ろうざいたく)が原因かもしれません。
漏財宅とは読んで字のごとし、財運が漏れていく住宅のこと。玄関からせっかく入った財運が一直線上に窓の外に流出してしまうのです。
まず玄関から入って、正面に窓が見える家。これは間違いなく漏財宅です。最近のワンルームマンションではこのような間取りも多いのではないでしょうか。
この場合、玄関と窓のあいだを衝立や屏風、ローチェストなどで仕切るようにしましょう。また、窓には重量感のあるカーテンやブラインド、あるいは窓際に大きめの観葉植物を置くことで、窓から気を逃げていくのを防ぐことができます。
玄関からまっすぐ続く廊下があり、その突きあたりに窓がある場合も同様です。玄関と窓の間にドアがあるなら、閉めておくようにしましょう。またドアに暖簾やウインドチャイムをつけておくのも有効です。
玄関の正面に階段があるのも、避けたい間取り。入ってきた気が1階に回らずに、そのまま2階に行ってしまうからです。玄関と階段のあいだに小さな観葉植物を置いて気を循環させましょう。
また、階段を上がった突き当たりに小さな鏡かガラスに入った絵や写真を飾り、のぼってくる気を反射させるのも効果的です。
尖角衝射(せんかくしょうしゃ)
マンションによっては、柱が出ているタイプがありますね。実は、これが曲者なのです。風水では角のあるものが、人間の方を向いていることを尖角衝射(せんかくしょうしゃ)と呼び、とても嫌います。
ワケもないイライラや倦怠感、気力の減退、不眠…などは、すべて尖角衝射が原因である場合が多いのです。
とくに、寝室での尖角衝射は要注意。眠っているあいだ、ずっと角が発する殺気を浴び続けることになり、健康面にマイナスの作用を与えます。もしも尖角衝射がある場合には、あいだに観葉植物を置くなどして、気の流れをよくしましょう。
梁も柱と同様に、人に様々な凶作用を及ぼします。特に頭の上に梁があるのは最悪です。もしも寝室の天井に梁がある場合は、梁の下にベッドを置くのを避けなければなりません。